安達誠司 (著)
で評価が高かったので読んでみました。
わかりやすい文章で「悪い円高」について解説されていて勉強になります。
ソロスチャートの解説は初めて読んだのでなかなか面白かったです。
ちなみに本書の主旨は、
日銀の金融緩和が十分でないため円高を招き、日本の景気を悪くしているという主張です。
一つ気になる点として、
アマゾンのレビューにも散見されますが、
著者の主張にあうデータを集めているのではないかという印象を受けました。
特に「修正ソロスチャート」の箇所ですが、ソロスチャートが有効でない期間を著者独自の修正にて有効なグラフに修正しています。
著者の修正が正しいのか正しくないのかの判断をする知識が私にはありませんが、
作者の都合でところどころ修正したデータというのは客観性を欠いているという印象を持ちます。
無数にあるデータから都合が良いものを選び、かつ一部都合が悪いところは修正できてしまいます。
少し気になる点はありますが、「悪い円高」という難しい内容を簡潔に説明してくれる点は良いと思います。
2 件のコメント:
日銀の緩和不足はよく話題に上がりますが、貴殿ご指摘の通り、同書ではそのあたりも主張にあうように都合の良い期間に切ったデータを用いています。
多少古い日経の記事ですが、日銀の緩和の十分性について、きちんとしたデータで示されています。
http://www.nikkei.com/paper/article/g=96959996889DE1EBE7EAE5E6EAE2E3E6E2E1E0E2E3E09997EAE2E2E2;d=0
正直、購入はしてしまいましたが、「円高の正体」はひどい本だと思いました。
>たまさん
私は経済について詳しくないので、著者の主張を正面から論破できませんが、何となくデータのとり方・見せ方・主張の進め方に違和感を感じました。ソロスチャートは面白かった分、残念な感じがしました。
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