のサイトで「カバードコール戦略の考察(2012/10)」というレポートがあったので紹介します。
(抜粋)カバード・コールは、上昇余地を一部犠牲にすることになるものの、ファンドの利益を継続的に増加させることができるため、伝統的な資産の長期保有を、投資家の希望するリスクとリターンに応じて修正することができる、魅力的な手段となるからで。その通りですね、上昇相場での大勝をあきらめるかわりに、コンスタントにキャッシュフローがプラスになります。
(抜粋)カバード・コール・ファンドの重要な特徴は、(原資産と比較した)その成功度合いが、市場が下落基調にあるか、上昇基調にあるか、あるいは横ばいに推移するかに大きく依存していることです。下落や横ばい基調の市場では、オプションが追加的なキャッシュ・フローをもたらすため、カバード・コール・ファンドは原資産をアウトパフォームします。上昇相場ではオプションが行使されるため、カバード・コールは原資産をアンダーパフォームします。カバード・コール・ファンドにとって最悪と言える市場は、一貫した上昇トレンドも一貫した下降トレンドも示さない変動の激しい市場です。こうした市場では、投資家は市場が下落したときに損失を受ける一方で、市場の上昇時にその損失を回復できない可能性があります。こうした好ましくない結果を下図に示しています。この種の市場では、カバード・コール戦略は原資産を大幅にアンダーパフォームします。ただ、上昇相場か下落相場かは事後にしかわかりません。
「カバード・コール・ファンドにとって最悪と言える市場は、一貫した上昇トレンドも一貫した下降トレンドも示さない変動の激しい市場です。」というのは確かだと思います、上下の変動が激しい相場はポジションを調整するのに苦労します。
(抜粋)一般的に言って、使用するオプションの数は多いほうが好ましくなります。理想的な状態は、多くのオプションのロールオーバー・プログラムを用いて、どの個別株についても常時 3~4 枚のオプションを保有している状態です。上記はカバードコールファンドを運用する場合のアドバイスですが、オプションも分散かつ定期的に理バランスをした方が良いみたいです。
(抜粋)オプション市場は長期間、想定される公正価値から乖離していることがあり得るため、売り建てているオプションが一貫して過度に低価格になっていないかを判断する尺度を定めることが望ましくなります。現実には、資産の「公正価値」を完全に評価することは不可能であり、オプションではそれが特に難しくなります。しかしながら、「代用的な」尺度を定めることは可能です。そのための単純な方法の一つは、原資産のヒストリカル・ボラティリティと比較したオプションのインプライド・ボラティリティに着目することです。これは、公正価値を定める完璧な方法とは言いがたいものの、市場価格が不当かどうかの判断材料として役に立つことがあります。インプライド・ボラティリティがヒストリカル・ボラティリティよりも高ければ、オプション価格が過度に高く、インプライド・ボラティリティが低ければ、価格が過度に低いということになります。売り建てようとするオプションの価格が低すぎる場合、そのオプションがポートフォリオのリターン全体の足かせとなるため、全体のカバレッジ・レシオを引き下げるのが賢明でしょう。原資産のヒストリカル・ボラティリティと比較したオプションのインプライド・ボラティリティを相場の方向、価格のあたりをつける判断材料の一つにはなります。
具体的には、
インプライド・ボラティリティ > ヒストリカル・ボラティリティ ⇒ オプション価格が過度に高い
インプライド・ボラティリティ < ヒストリカル・ボラティリティ ⇒ オプション価格が過度に低い
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