読みました。
とても面白い本でした。
オプションをトレーディングしている人なら勉強になると思います。
ちなみに、タレブ氏はオプションの買を推奨しています。
まあ、オプションのロングが専門のヘッジファンドを運用しているので当然だと思いますが。
私はカバードコールのオプションの売りがメインなので、著者のタレブ氏とは投資スタンスが正反対です。
ただ、「確率は低いが稀に起こる期待値が高い賭けに参加する」というのは合理的で有効な戦略だと思います。
タレブ氏のオプションロングはブラックスワン待ちのロングであり、単純に株価が上がると思うというロングではありません。
本書はタレブ氏自身が自分の戦略を「ボラティリティ・ロング」という表現で紹介しています。ちなみに、素人が実践するには精神的にも技術的にも難しいと思います。
以下に、この本で面白い・参考になった箇所を抜粋します。
オプションに関する記述はP.253~257あたりです。ここではコツコツとプレミアムをためる戦略を批判して、タレブ氏が実践しているオプションロング戦略の概要がかかれています。(概念の話で、実際の細かい数字の話は出てきませんが。)
凄く面白くて冷静になれる本です、バリュー投資とか資産運用というスタンスとは少し違うかもしれませんが、オプションを取引するならこのあたりの考え方(確率・期待値・平均とか)は理解をしておいた方がいいと思います、オプションの醍醐味ですから。
以下に、この本で面白い・参考になった箇所を抜粋します。
(抜粋P.72)弱気派は急騰でハエみたいにバタバタ落ち、強気派は音楽が止まると絵に描いた餅の利益が消えて皆殺しだ。でも、一つだけ例外があった。オプションを取引をしていた連中の一部(オプション買い派と呼んでいた)は目覚しい持久力を発揮していた。私もそうなりたいと思った。オプションプレミアムの需要な要素にボラティリティーがあります。タレブ氏のオプション買いは、ブラックスワンが現れたときに大勝するポジションなのでしょう。
(抜粋P.84)私が仕事を始めたころ、雑音に耳を澄ませている連中を見るのは我慢がならなかった。そうやって情報を手に入れようとしても、統計的に有意ではなく、だから意味のある結論は出せないからだ。まあ、ニュースを追ったところでそのニュースから統計的に有意義な要素を抽出するのは不可能でしょう。相場を予想するのが不可能なのと同じことで。
(抜粋P.134)私がずっと市場でやってきた仕事は、「歪みに賭ける」と言うのが一番合っている。つまり、まれな事象で賭けるのだ。稀な事象はめったに起きないけれど、その分、実際に起きればとても儲かる。(抜粋P.135)オプションを買えば90%の割合で損をするという統計は、残る10%のときに平均でいくら儲かるかを考えないと、明らかに意味がない。オプションを買ってイン・ザ・マネーで終わった場合、賭け金が50倍になるのなら、オプションを買うのは貧乏人じゃなくて大金持ちへの近道だと言っていいだろう。起こる確率が低くても儲かる方に賭ける方が正しいとのことです、確率と期待値の話ですね。私も確率よりも期待値を見るべきだと思います。
(抜粋P.155)損をする確率は小さいが実現すれば大きな損が出る一方、儲かる確率は大きいが実現しても利益が小さいとき、ゲームに勝つ確率を最大化しても、ゲームで得られるものの期待値は最大化されない。低い確率で大きな損失が発生し、高い確率で小さな利益が出る、ロシアン・ルーレットのような戦略を実行すると、数年ごとに破産するけれど、どのサンプル経路でも勝ち組ともてはやされることになるだろうカバードコールのデメリットではありますね、高い確率で小額を儲けて、低い確率で大損をする。
(抜粋P.167)積極的な賭けをするときには統計学と帰納法を使うけれど、リスクやエクスポージャーを管理するのには使わない。~生き残っているトレーダーは全員そういうやり方をしているようだ。統計や確率ではブラックスワンを回避できない、ブラックスワンを回避できないといずれ破滅するということでしょう。
(抜粋P.255)オプションを買うのも捨て金とは違う。プロでもその点はよくだまされる。なぜだろう?期待値と一番可能性の高いシナリオを取り違えるのだ(ここの例では期待値は1ドル、一番可能性の高いシナリオでのオプションの価格はゼロだ。)彼らの頭の中では、一番可能性の高い状態、つまり市場がまったく動かない状態の比重が大きい。一方、オプションの価値は、資産がとりうるすべての状態にもとづく価格を単純に平均したものなのだ。
(抜粋P.255)私が「ボラティリティ・ロング」と呼ぶポジションを持ち続けられるオプション・トレーダーはとても少ない。ボラティリティ・ロングは、権利行使日に少し損をする可能性がとても高いけれど、ときどき市場が大きく動くために、長期では儲かると期待できるポジションだ。単純に株価が上がるからオプションをロングしようという発想ではありません、ボラティリティと期待値を計算した上でブラックスワンが現れた時に大勝するというポジションです。素人にはハードルが高い戦略だと思います。
オプションに関する記述はP.253~257あたりです。ここではコツコツとプレミアムをためる戦略を批判して、タレブ氏が実践しているオプションロング戦略の概要がかかれています。(概念の話で、実際の細かい数字の話は出てきませんが。)
凄く面白くて冷静になれる本です、バリュー投資とか資産運用というスタンスとは少し違うかもしれませんが、オプションを取引するならこのあたりの考え方(確率・期待値・平均とか)は理解をしておいた方がいいと思います、オプションの醍醐味ですから。
2 件のコメント:
自分もこの本ではまった口ですw
今は、US口座はいつも通りCsp&cc、メインの運用とは別に日経先オプでボラロングは実行しています。
日経平均のような指数は、バリュエーションで説明出来ない程買われた銘柄へ重み付けしてくれるので、歪みが大きい分その効果も出やすいと感じています。
いつも九八六さんのブログを拝見させてもらって、暴落狙いのロングをされているのかと思っていたのでした。
やはり一部そういう運用をされているのですね。
ボラティリティが大きくなりやすい指数の特徴をふまえて狙うのは面白そうですね!
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