「リスク・テイカーズ ―相場を動かす8人のカリスマ投資家」
を読みました
内容紹介
ローブ、ダリオ、バフェットら8人で
投資総額30兆円!
巨額の利益を稼ぎ出す
孤高の投資家の知られざる素顔
■独自の相場観で巨額報酬を得るカリスマ投資家
2008年のリーマン・ショック。誰もが混乱に陥るなか、危機から巨額の利益を上げた投資家たちがいる。その特別な投資家たちは危機を事前に察知することができたばかりか、その後の長期の強気相場を言い当てることができた。なぜ、彼らは未来を見通せたのか。これからの世界をどう捉えているのか。私たちはどうしたらその視点を手に入れられるのか。
■強烈な個性溢れる8人
本書では、ダニエル・ローブ、デイビッド・テッパー、デイビッド・アインホーン、ビル・アックマン、ジム・チェイノス、レイ・ダリオ、カイル・バス、ウォーレン・バフェットを取り上げる。強い信念を持ち、リスクを恐れずに果敢に市場と向き合ってきた歴戦の猛者たちはどんな人生を歩み、成功の秘密にたどり着いたのか。投資総額30兆円、巨額の利益を稼ぎ出す投資家たちに迫る。
■米連邦準備制度理事会(FRB)など各国中央銀行もその挙動に注目カリスマトレーダーの話なので素人投資家が真似をするのは難しいところも多いですが、読み物としても完成度が高く、引き込まれるように一気に読んでしまいました。
【本書に登場するカリスマ投資家8人】
日本に上陸した大物──ダニエル・ローブ
ヘッジファンド報酬ランキングトップ──デイビッド・テッパー
リーマン危機を見抜いた空売りの旗手──デイビッド・アインホーン
物言う株主の代表格──ビル・アックマン
中国が標的の空売り王──ジム・チェイノス
運用資産15兆円、世界最大級のヘッジファンド──レイ・ダリオ
日本の「不吉な未来」の予言者──カイル・バス
伝説のバリュー投資家、オマハの賢人──ウォーレン・バフェット
世界を動かすプロのファンドマネジャーの奥深き世界に足を踏み入れてみよう。
投資の参考にならないとしても、投資系の本が好きであれば読んで損はないと思います。
いくつか参考になった記載を紹介します。
デイビッド・アインホーンの章
P.98 集中投資を好んでいる点も似ている。限られた有望銘柄に絞り込むことで、投資収益を高めようとする戦略だ。レイ・ダリオの章
このやり方は、コロンビア大学教授でバリュー投資の伝統をくむジョエル・グリーンブラットから学んだという。同教授は「8銘柄を保有すると、1銘柄だけをもつリスクの81%を低減でき、32銘柄を保有すると96%のリスクを低減できる」との理論を提唱した。そして次のような結論を導き出した。
「異なった業種の株式を6~8銘柄持てば、リスクを減らす目的でさらに銘柄を増やすメリットはごくわずかになる。」アイホーンが率いるグリーンライト・キャピタルでは、ひとつの銘柄の買い持ちに資金の最大20%、主要5銘柄の買い持ちに全体の30~60%を配分している。
P.201 ダリオによれば、一般に不況と呼ばれるものは、たいてい短期間の債務サイクルにもとづいている。これは通常、期間が5~8年程度。不況から脱するために中央銀行が大胆な利下げをすることで最終的に不況から抜け出せることが多い。景気は一時的に大きく落ち込むが、経済全体が壊滅的な打撃を受けるわけではない。カイル・バスの章
もっとも懸念すべきなのが、長期の債務サイクルだ。こちらの周期は実に75~100年にも達する。20~30年代の大恐慌や、08年の金融危機はこちらに当たる。
P.244 「自律的な経済成長が可能で、金融の膨張や信用創造に頼ってこなかった国に限る。生産性の高さや若い労働力がいる人口構成も大事だ」ウォーレン・バフェットの章
そう語っているバスは「カナダ、ノルウェー、オーストラリア、インドネシア、インド」を魅力的な投資対象に挙げた。
P.272 2013年時点の保有株式
ウェルズ・ファーゴ
コカ・コーラ
アメリカン・エキスプレス
IBM
ウォルマート・ストアーズ
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
エクソンモービル
ゴールドマンサックス
ムーディーズ
あと、面白かったのが各投資家の金投資に対する考え方でした、
レイ・ダリオ氏、カイル・バス氏はインフレを含めたヘッジとして金保有を勧めています。
対して、ウォーレン・バフェット氏は、
バフェットは金に嫌悪感に近い感情を抱く。「あなたが金を1オンス買ったとして、100年たっても1オンスのままです」バフェット氏は金投資に対して否定的です。
企業が手掛ける事業や、農地などと違い、金はそれ自体では何も富を生まない。事業を拡大して利益を上げ、それを投資家に還元する「富の増殖」は起きようもない。
個人的には最近読んだ投資関係の本では一番面白かったです、カリスマ投資家=異能の人々の投資方法を個人投資家が取り入れるのは難しいとおもいますが、本としての完成度も高いので楽しく読めると思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿