実際の相場変動で小さな価格変動が生じる確率は、ブラック・ショールズ・モデルで想定されている理論確率よりも小さくなる一方で、大きな価格変動が生じる確率は理論確率よりも大きくなることです。要約すると、実際の相場では理論確率よりも大きな変動が生じる確率が高いということです。
相場が一度動き出すと、ランダム・ウォークによる変動以上に価格変動が増幅されます。
例として、バブルと時は上昇が上昇を呼び、クラッシュの時は売りが売りを呼び循環的な下げ相場になるような場合です。
特に、価格下落時(クラッシュ)にボラティリティーがより大きく上昇する傾向があります。
理由は、下げ相場での資産売却のタイミングは投資家同士で重なりやすく、資産価値が急激に下落するためです。
また、市場における買と売りの非対称性、投資家行動がパターン化しやすいことなども原因です。
その辺りは「株式市場はゆっくり上昇し、急激に下落する」を参考にして下さい。
どちらにしろ、現実の市場では効率的市場仮説で仮定されているよりも、価格が最初の価格から離れるほど、上昇時に比べて下落時ほど、ボラティリティーが大きくなる傾向があります。
ということは、行使価格によりボラティリティーが異なることになります、このことを「ボラティリティーのスキュー」と呼んでいます。
ボラティリティーのスキューは、オプションの期間が短いほど顕著に現れ、長期のオプションになればなるほど、スキューはなだらかになります。
ちなみにスキューをグラフにすると、両端が上がっており、これを笑顔に例え「スマイル・カーブ」とも呼んでいます。
オプションにおいて、ボラティリティーは価格を決める重要な要素になります。
想定外の大きい変動が起きる確率が、理論値よりも高いということを考慮に入れて取引をすることが大切だと思います。
<参考にしている本>
<関連投稿>
・株式市場はゆっくり上昇し、急激に下落する
<関連サイト>
・マッタリ バリュー投資とカバード・コール(オプション戦略)
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