2013年9月29日日曜日

「実務家のためのオプション取引入門」を読みました

実務家のためのオプション取引入門
佐藤 茂


 内容紹介
オプションのすべてを論理的に、明快に解説した、
金融プロフェッショナル必携の一冊。
現役オプショントレーダーが、
トレードの現場で学んだことをもとに、オプションとは何かからはじめ、
プロトレーダーの視点、そしてVIX先物まで余すことなく執筆しました。
オプションはその性質上、完全に理解するためにはどうしても高度な数学の知識が必要になります。
本書でも数式は出てきますが、数式部分を飛ばしても理解できることを目指し、
読者がオプションの本質を把握できるような丁寧な説明を心がけています。
また、オプション取引の現場に身を置く者だからこそ書ける
オプションにまつわる興味深いエピソードを14 のコラムにまとめ、各章の最後に掲載しています。
【主な目次】
はじめに
1章 オプションとは
2章 プットコールパリティ
3章 オプション価格はどう決まるか
4章 オプション価格計算モデル
5章 ボラティリティとは
6章 ボラティリティサーフィス
7章 スプレッドとは
8章 グリーク
9章 グリークの視点からのスプレッド
10章 コールとプットの等価性
11章 オプションアービトラージ
12章 アメリカン型オプションの早期行使
13章 トレーダーの視点
14章 VIXとは
用語集
正規分布表
を読みました。

正直内容が高度過ぎてあまり理解ができませんでした・・・

ただ、オプションの理論・エッセンスを数式を介してわかりやすく解説しているのだと思います。(私が理解できた範囲ではですが)
セミプロもしくは数式が理解できる方であればかなり有益な本だと思います。

私は数学が得意ではないので、書かれている内容・数式が理解できませんでした。
アマゾンのレビューにもある通り、ある程度以上の知識が必要な本だと思います。

興味がある方は、一度書店でで内容を見たうえで購入されたほうがいいでしょう。
価格も高いので、本屋で読んでみて理解ができるか確認した方がいいと思います。
熟読し理解ができればかなり知識が深まるでしょう。

ちなみに、 著者の佐藤茂氏はヘッジファンドでオプショントレーダーをされているとのことです。

デルタヘッジや面白そうな話題が多いのですが、いかんせん私の知識では歯が立ちませんでした。ちなみに、カバードコールやキャッシュセキュアードプットの解説はありません、オプショントレーディングを主体にしている方に参考になると思います。

2013年9月25日水曜日

「台頭する国営石油会社―新たな資源ナショナリズムの構図」を読みました


「台頭する国営石油会社―新たな資源ナショナリズムの構図」を読みました。

直接投資に関係はないかもしれませんが、結構面白かったです。

私は、スーパーメジャーであるエクソンモービル、シェブロンとかの巨大企業が莫大な埋蔵量を誇っていると思っていたのですが、国営石油会社の方が大量の埋蔵量があるそうです。


ちなみに一位は、サウジアラビアの国営企業「サウジアラコム」です。


また、石油会社の収益は企業の規模に関連性が強いとのこと。
一番、右端上のエクソンモービルは企業規模が大きく、収益性が高いとのことです。
また、一部の国営企業の収益が高いのは、国家より様々な規制を免除されているためとのことです。

個人的に一番面白かったのは「スタトイル」「ペトロブラス」の社歴・特徴が書かれている個所でした。

「スタトイル」は“北欧のプリンス”と言われている、ノルウェーの半官半民の企業です。
世界最大級の石油・ガス企業でありで、北欧諸国で最大の企業です。
2009年、フォーチュン・グローバル500により、石油・天然ガス企業売上高世界13位にランクイン、全体でも売上高世界36位にランクインしています。特に、海上で深海の油田を採掘する技術に優れているとのことです。

株価も上場以来好調なので、エクソンモービルを選ぶよりもあえてスタトイルというのも面白いと思います。

株価のバリュエーションも割安で配当利回りも現時点だと高いです。

あと、ブラジルの国営企業である「ペトロブラス」の説明も詳しく書かれており、企業の概要を理解するには便利でした。

ペトロブラスは配当利回りが低いのが難点です。

民間のスーパーメジャーの石油銘柄を買うというのもありだと思いますが、半官半民の「スタトイル」「ペトロブラス」に投資するというのも、国家の後ろ盾があるという点で面白いかもしれません。

因みに、この本でも書かれていますが、国家がバックについているということは有利でもあり不利でもあり、どちらが良いかは一概に判断できないとのことです。
(有利な条件で採掘ができるプラスの面もあるが、国家の赤字や政治の道具にされるマイナス面もあります。)

2013年9月23日月曜日

バリュエーションの比較 PM:Philip Morris International、BTI:British American Tobacco PLC、MO:Altria Group Inc


目次

  • タバコ産業は高配当


タバコ産業は高配当

高配当銘柄といえば、タバコ産業があります。

メジャーなタバコ銘柄のバリュエーションの比較をしてみました。

銘柄株価PERPBR配当利回り配当
PM90.4716.71-4.15権利:3・6・9・12月下旬→支払:翌月中旬
BTI107.5716.348.683.90権利:3・8月中旬→支払:5・10月中旬
MO35.5514.0722.555.36権利:3・6・9・12月中旬→支払:翌月中旬

  • PM:Philip Morris International
  • BTI:British American Tobacco PLC
  • MO:Altria Group Inc

5年間のリターンで見ると、PM>MO>BTIとなります。
株価は似たり寄ったりの動きですね。

PERで比較すると大体同じ、MOが少し2社よりも少し割安です。
アメリカ国内のみの展開ということで少し割安なのかもしれません。

PBRですが、PMはBPSがマイナスなのでPBRがでません。
BTI、MOもかなり高いです。
一般的なバリュー投資の指標で考えれば投資不適格です。ただ、PBRは業界により水準が大きく異なるので、タバコ産業内で比較をする指標とした方がいいです。(他業種のPBRとは比較しない。)

設備投資があまりかからない、斜陽産業に属しつつ、新規の参入もしにくいセクターです。
今後、政府による規制や訴訟が増えていくと予想されます。
リスクが高いぶん、収益から見ると割安に放置されている印象を受けます。

個人的には新興諸国の成長をとりこめる、PM、BTIが面白いと思います。

関連投稿


2013年9月21日土曜日

IWMのプットオプションのローリングアウト キャッシュセキュアードプット

IWM(iShares Russell 2000 Index)のプットオプションのローリングアウト&アップしました。

期間を延ばして、ストライクプライスを上げたプットオプションを新たに売りました。
20日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は米量的緩和の縮小が近いとの警戒感で大幅続落し、前日比185・46ドル安の1万5451・09ドルで取引を終えた。ハイテク株主体のナスダック総合指数は14・65ポイント安の3774・73。米セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁が、10月末の連邦公開市場委員会が量的緩和縮小に着手する可能性を示唆。投資家に警戒感が広がった。
アメリカの量的緩和が縮小すれば、瞬間的に株価が下がりそうです。

キャッシュセキュアードプットは上げ相場の方がプレミアムが稼げるので、このタイミングでローリング・アウト&アップは良い判断だったのかは微妙です・・・

相場が上がっているときにバイバックをして、キャッシュを温存。
相場が瞬間的に下がった時にキャッシュセキュアードプットというのがベストな取引です。
まあ、そんな取引はなかなかできませんが。

相場観を持って取引をするよりかは、機械的にプレミアムを稼ぐというスタンスで取引をしているのでしょうがないですね。

未来のことはわからないので何とも言えません。

今は、オプションの売りで稼いだキャッシュで高配当銘柄でも購入しようか検討中です。
Exxon Mobil Corporation、Philip Morris Internationalなんかは面白そうです。


<参考にしている本>

kindle経由でアメリカから直接買うのが最もコストパフォーマンスが良いでしょう!

<関連投稿>
カバードコール(キャッシュセキュアードプット)と高配当銘柄の組み合わせ
オプショントレーディングならキャッシュ・セキュアード・プット(cash secured put) 
【オプション】Covered Call(カバード・コール)って、最低投資額はいくら?いくら儲かるの?リターンは?
カバードコール(Covered Call)とは
オプショントレーディングならキャッシュ・セキュアード・プット(cash secured put)
プット・オプション(Put option)のデメリット・マイナス点
カバード・コールのまとめ
カバード・コール関連の本

<関連サイト>
マッタリ バリュー投資とカバード・コール(オプション戦略)

2013年9月16日月曜日

2012年度の世界でのタバコ販売本数のランキングとグローバルタバコセクターへの投資



2012年度の世界でのタバコ販売本数のランキングです。

2012年度
社名タバコ販売本数売上高(円)販売本数
対前年比(%)
フィリップ・モリス・インターナショナル(米国)9,270億本3兆5,485億+1.3
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)6,940億本1兆9,152億-1.6
日本たばこ産業(日本)5,341億本2兆1,138億-5.1
インペリアル・タバコ・グループ(英国)3,366億本8,386億-2.7
アルトリア・グループ(米国)1,361億本1兆1,746億-0.2
KT&G(韓国)960億本1,767億+2.7
レイノルズ・アメリカン(米国)689億本6,404億-5.6
ロリラード(米国)402億本5,060億-1.2
(除外)中国煙草総公司(中国)世界シェア約40%9兆8,000億円

1位の「フィリップモリス・インターナショナル」はマルボロなどを世界で展開する企業です。
ちなみに、アメリカ内でのマルボロの展開は「アルトリア・グループ」が行っています。

マルボロの世界販売→フィリップモリス・インターナショナル

マルボロの米国販売→アルトリア・グループ

2位・3位の「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)」「日本たばこ産業(日本)」は全世界でタバコを販売しています。

また、「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)」は新興国でのシェアが高いです。

現在、タバコ販売の主戦場は新興国に移行しています。

先進国での消費量が減少しつづけるなかで、中国・インドネシア・ベトナム・フィリピンといった中国・ASEAN諸国で消費が増加しているためです。

ちなみに、中国の消費量は莫大で、2011年の日本の年間消費量の2倍を上回っています。

新興国の消費を見込んでグローバルなタバコセクターに投資をしたい場合は、
「フィリップ・モリス・インターナショナル(米国)」
「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)」
「日本たばこ産業(日本)」
が良いでしょう。

特に、「フィリップ・モリス・インターナショナル(米国)」と「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)」はブランド力を活かして新興国でも儲かっているようです。

「日本たばこ産業(日本)」が新興国で販売しているブランドは低価格帯が多く、かつ円高の影響で海外からの収益が思ったほど上がっていないとのことです。

新興国での展開という意味では、「フィリップ・モリス・インターナショナル(米国)」「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)」がリードしているようです。

「フィリップ・モリス・インターナショナル(米国)」はティッカーが「PM」でSBI証券・Firastradeで購入できます。

「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)」もアメリカでADRを発行しているのでSBI証券・Firastradeで購入できます。
ちなみに、ADRは英国の株式に対して2倍で発行されています。SBI証券では数値を修正していますが、Firastradeでは修正されていないので注意が必要です。
具体的には、「Dividend Yield 2.60」と表示されているので、2.60×2=5.2で換算します。同様にPERやPBRなどの各種の指標の修正が必要です。

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2013年9月15日日曜日

全世界における売上高上位20社のランキング

全世界における売上高上位20社のランキングになります。

2012年度
社名売上高(円)業界
ウォルマート・ストアーズ36兆1,794億小売り
エクソンモービル36兆0,347億石油・ガス
ロイヤル・ダッチ・シェル36兆0,245億石油・ガス
中国石油化工集団(SINOPEC)31兆2,665億石油・ガス
中国石油天然汽集団(CNPC)29兆1,754億石油・ガス
BP28兆9,629億石油・ガス
サウジアラムコ27兆4,529億石油・ガス
ヴィトル23兆3,658億商社(石油)
国家電網20兆5,265億電力
フォルクスワーゲン・グループ19兆2,547億自動車
シェブロン18兆6,548億石油・ガス
トヨタ自動車18兆5,837億自動車
トタル18兆2,177億石油・ガス
日本郵政16兆6,614億コングロマリット
グレンコア・インターナショナル16兆5,362億商社(資源)
フィリップス6614兆1,060億石油・ガス
サムスン電子13兆4,739億エレクトロニクス
エーオン13兆2,004億電力
Eni12兆8,680億石油・ガス
バークシャー・ハサウェイ12兆5,283億コングロマリット

上位10社中、8社が石油関連企業です。

日本に石油メジャーは存在しないので、あまり意識をしていませんが、世界的にみると石油メジャーの存在感はかなりありますね。

私は個別に石油メジャー株を保有していませんが、バリュエーションも割安で高配当な銘柄も多数あるので興味はあります。

また、他の株と異なる動きをするところも魅力です。

参考にした本は
世界業界マップ2013-14
グローバル企業調査会
 
アマゾンのレビューでは評価が低いですが、個人的にはそこそこ面白く読めました。

まあ、似たような本がないので比較できないですし、そもそも選択肢があまりないのでしょうがないかなとあきらめています。
確かに、古い方が良い気がしますが、初めて見たのが「2013-14」版であれば気づかないかもしれません。(笑)

こういう感じの本で、PERやPBRなど投資に直結する情報がコンパクトに載っている本があったら是非ほしいですね。世界四季報みたいな。

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