【米国株】【分析】スターバックス(SBUX)を調査
スターバックス(SBUX)について調べました。
私はコロナショックで市場が急落しているタイミングで、スターバックス(SBUX)に大きく投資しました。
既存の店舗を閉めるなどの対応をいち早くした影響もあり、一時的にコロナショックで業績は悪化するでしょう。しかし、世界中で愛されているブランドでもありコロナ後には業績が回復すると考えています。
ちなみに、スタバは2008年から2009年にかけて、急速に店舗を拡大しすぎた反動で既存店の売上がズルズルと低迷するという危機がありました。今から振り返るとその危機は脱出しましたが、長期の売上の推移からその跡がうかがえます。
今回のコロナショックがどの程度長期的な業績の影響をおよぼすかは未知数ですが、スタバの危機が2008年から2009年にもあったということは覚えておいた方がいいと思います。
スターバックス(SBUX)について
日本でもおなじみのスターバックス(スタバ)ですが、直営店、ライセンス店を合わせ全世界で32,100店舗以上を展開しています。各種コーヒー、エスプレッソ、紅茶、コールド・ドリンク、フードメニュー、お茶やコーヒー関連商品を販売しています。
2019年度の部門別売上高は、米州部門(米国を含む)が69%、海外部門(中国を含む)が23%となっており、当然ですがアメリカでの売上が最大となっています。逆に、まだ海外展開の余地があるとも考えられます。
今後は中南米、特にブラジルでの店舗拡大がカギになると言われています。
バリュエーションについて
- 株価:86.630ドル
- PER:76.3倍
- PBR:-11.6倍
- 配当利回り:1.9%
- ROE:-
- ROA:5.4%
直近のEPSが急激に下落したのでPERが異常値になっています。そのような場合は配当利回りを基準に考えるのがよいでしょう。
業績について
売上はコロナショックで急激に落ち込んでいます、2005年からの実績でこれだけ売り上げが落ちここんだのは初めてです。
一株利益(EPS)も売り上げに連動して大きく落ち込んでいます。四半期で見るとEPSがマイナスになっています。
なお、2013年にEPSが大きく落ち込んでいるのは、クラフト・フーズ・グループへの賠償金の支払いなどで28億ドル弱のコストが発生したため、13年9月期の利益がほとんどなくなってしまったためです。
2019/9 利益率:14.8%、ROA:16.6% というのはなかなか良い数字だと思います
(飲食業は利益率が低く、一般的には5%、上場企業でも8%となっています。)
売上の60%を飲料部門が稼いでいます、次に多いのがフードで18%となっています。
配当ですが、年間の一株配当は右肩上がりで、コンスタントに増配をしています。
配当性向も2019/9では49.3%なので無理をしている数字ではありません。市場全体から見れば高めですが許容範囲でしょう。
直近のPERはコロナショックでEPSが激減したので異常値(76.3倍)が出ていますが、平均から考えると大体30倍前後で取引されています。
PERでは判断しにくいので、配当利回りでみると、現在1.9%となっています。
最大:2.4%、平均:1.7%、最小:1.0%なので、平均よりも少し配当利回りが高いといったところですかね。
コロナショック直撃の決算
コロナショック直撃後の決算を詳しく見てみます。コロナショックのような急激な業績の悪化はまれにしか起こりません、そのような場合にどのような決算になるのかは非常に興味深いですし、今後投資するうえで覚えておいた方がいい事例となるでしょう。
2020年7月28日に第3四半期(4~6月期)の実績が発表されています。
- 売上高・・・前年同期比30%減の42 億ドル(市場予想は40.6 億ドル)
- 1 株当たり損失(一部項目を除く)・・・46 セントの赤字(市場予想は62 セントの
- 赤字)
- 既存店売上高・・・-40%減(市場予想は‐42.8%減)
- 米国内既存店売上高・・・-41%減(市場予想は43%減)
- 海外既存店売上高・・・37%減(市場予想は42.5%減)
売上高は30%減ですが市場予想よりは売上は高く出ました。一株利益(EPS)も市場予想よりは赤字の幅が小さく出ました。
既存店の売上は約-40%です。コロナショックが大きかったアメリカと中国で主に事業を展開しているスタバとしては影響が大きかったですね。
基本的には、良い決算でした。第3四半期売上高は予想を上回りましたし、調整済みEPS の赤字幅は予想ほど悪化しませんでした。既存店売上げの伸びも予想以上でした。
4-6 月期決算ですが、最終損益が6億7800万ドル(約712 億円)の赤字(前年同期は13億
7200 万ドルの黒字)。1 株損益は0.58 ドルの赤字(同1.12ドルの黒字)になります。赤字幅は約10 年ぶりの大きさとなり、コロナショックの大きさがわかります。
最終的に大切な数字として、特別項目を除いた調整後1 株損益は0.46ドルの赤字(同0.78 ドルの黒字)でした。コロナウイルスへの対応として4 月から5 月にかけて各国の店舗を臨
時休業したことが大きく響いています。
売上高は38%減の42億2200万ドル。主力市場の米国は来店客の減少で既存店売上高が40%減少しました。海外の既存店売上高は37%減少だそうです。ちなみに、早期に経済を再開した中国の既存店売上高は19%減にとどまったそうです。
スタバの試算では、新型コロナの影響でによる売上高の喪失は32 億ドルだそうです。店舗休業・営業時間の短縮・運営の変更・安全対策費用・有給休暇中の雇用者への賃金支払いがコストの増加につながったそうです。
ハワード・シュルツ氏が直接書いた本ですし、投資をする上で参考になります。
外部の人間が危機について書いた本も並行して読んだ方が客観的になれるかと思います。
米国株に投資をするのであれば広瀬氏の本もおすすめです。基本的な項目がしっかりとおさえられており参考になります。